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舌下免疫療法を開始します

 6月より、スギ花粉症、ダニによるアレルギー性鼻炎に対する、舌下免疫療法を開始いたします。治療をご希望の方は下記の記事をよくお読みになったうえで、当院にご相談下さい。

舌下免疫療法とは
 アレルギーの原因物質(アレルゲン)を長期間にわたり少量ずつ投与することで体を慣らし、アレルギー反応を起こしにくくする治療法(アレルゲン免疫療法、減感作療法)の一つです。症状を抑えるだけのお薬とは異なり、症状の改善だけでなく根本的な体質改善(根治)も期待できます。
 これまでに行われてきたアレルゲン免疫療法は、注射による皮下免疫療法が主流でした。頻回な通院が必要で、注射の痛みもあり、お子さんが気軽に行える治療法ではありませんでした。
 舌下免疫療法は、この注射による皮下免疫療法を改善した新しい治療法です。アレルゲンを注射ではなくベロの下に投与することで、痛みもなくご家庭で手軽に行えます。皮下免疫療法とほぼ同等の効果が期待できるうえ、重篤な副作用も皮下免疫療法に比べて少ないとされています。
 現在、国内ではスギ花粉症と、ダニによるアレルギー性鼻炎に対しての治療薬が認可されています。

舌下免疫療法の特徴
・舌下免疫療法は一般的な症状を抑える治療と異なり、アレルゲンに対する免疫反応そのものを改善しますので、根治の可能性があります。8割方は何らかの効果があり、さらに根治する方は2割程度とされています。
・鼻炎症状(くしゃみ、鼻水、鼻づまり)だけでなく、目の症状や皮膚のかゆみにも効果があります。
・完全に症状が消失しなくても、使用する薬の量を減らすことができたり、内服期間を短縮することができる可能性があります。
・治療終了後も効果が持続する可能性があります。
・舌下免疫療法を受けたかたは、免疫の過剰反応が抑えられるため、今後他のアレルゲンに対するアレルギーを発症する可能性が低くなります。
・デメリットとしては、治療期間が長い(3~5年)こと、即効性は無いこと、全ての患者さんに効果があるわけでは無いこと(2割ほどは無効)等があげられます。また、スギ花粉症の舌下免疫療法は、スギ花粉の飛散期には投与開始できません。

治療の対象となるかた
・5歳以上のスギ花粉症、ダニアレルゲンによるアレルギー性鼻炎患者
 舌下投与(舌下への保持)が不可能な場合は対象外です。用法用量および医師の指示を守り、毎日きちんと内服が可能な方に限ります。また、少なくとも月に1回の受診が必要です。オンラインでの受診も可能ですが、少なくとも3か月に1回は対面診察(実際にご来院頂く)が必要です。

治療の対象とならないかた
・病因アレルゲンがスギ花粉・ダニでない方
・重症の気管支喘息患者
・悪性腫瘍又は免疫系の全身性疾患(膠原病や免疫不全症など)のある患者
・治療開始時に妊娠中・授乳中のかた
・非選択的ベータ遮断薬(高血圧等に使用)使用中のかた
※なお、当院での治療は、原則として小児を対象とさせて頂きます。子どもと一緒に治療したい、等のご希望がある保護者様はご相談下さい。

治療の流れ(スギ花粉症の場合)
1.問診・診察・検査
 治療が可能か、問診・診察および検査を行います。
 検査でスギ花粉症と確定診断する事が必須となります。血液検査で確認いたします。
 2~3年以内に行ったアレルギー検査の結果をお持ちいただいても構いません。
2.治療説明
 検査結果などを元に治療が可能と判断されれば、アレルゲン免疫療法の特徴・治療スケジュール・服用方法・起こりうる副作用等を説明いたします。その上で、治療を受ける意思を確認いたします。
3.初回投与(治療1日目)
 治療を受けることに同意頂ければ、院内で初回の投与を行います。
 シダキュア2,000JAU錠を1錠、舌下(舌の裏)に投与します。すぐに唾液で溶けて無くなりますが、唾液はすぐに飲み込まず1分間保持し、その後に飲み込みます。初回投与後30分間は、副作用が生じないか院内で安静にし様子を見ます。
 問題が無ければ翌日より、自宅で服用して頂きます。
 ※スギ花粉の飛散期は体の過敏性が高まっており、この時期を避けて治療を開始する必要があります(6月~遅くとも12月まで)。
4.治療2~7日目
 シダキュア2,000JAU錠を1日1回服用します。万が一の副作用の可能性を考慮し、日中かつご家族のいらっしゃる時間帯に服用して下さい。
 薬は唾液ですぐに溶けて無くなりますが、すぐに飲み込まず1分間保持し、その後に飲み込みます。飲み込んだあとの5分間は、うがいや飲食を控えます。また、服用後2時間は激しい運動、入浴などは避けて下さい。
5.治療8日目(増量)
 家庭での増量も可能ですが、当院では原則として治療開始1週間で再度ご来院頂き、院内で増量投与を行います。
 シダキュア5,000JAU錠を1錠、舌下に投与します。初回投与と同様に院内で経過観察し、問題が無ければ翌日より自宅で服用して頂きます。
6.治療9日目以降~
 シダキュア5,000JAU錠を1日1回服用します。万が一の副作用の可能性を考慮し、日中かつご家族のいらっしゃる時間帯に服用して下さい。
 薬は唾液ですぐに溶けて無くなりますが、すぐに飲み込まず1分間保持し、その後に飲み込みます。飲み込んだあとの5分間は、うがいや飲食を控えます。また、服用後2時間は激しい運動、入浴などは避けて下さい。
7.定期受診
 少なくとも月1回の受診が必要です。用法・用量が守られているかどうか、体調や投与部位の状態、副作用の有無などを確認し、治療続行の可否を判断します。オンラインでの受診も可能ですが、少なくとも3か月に1回は対面診察(実際にご来院頂く)が必要です。
 効果が出るまでに少なくとも数か月は必要です。治療開始後2シーズン目のスギ花粉飛散時期での効果を確認し、有効であれば計4~5年間の治療をお勧めします。

舌下免疫療法の副作用
・口の中の痒み、腫れ・口内炎・不快感、耳の痒み等の軽微な副作用はわりと高頻度(1~2割)に、特に服用開始後初期(約1か月)に多く見られます。治療を要さない場合がほとんどですが、念のため下記の強い副反応に進展しないか、2時間程度はよくご様子を見て下さい。
・極めてマレですが、強いアレルギー反応(アナフィラキシー)を起こすことがあります。発疹・じんま疹などの皮膚症状、咳やゼイゼイするなどの呼吸器症状、嘔吐・腹痛などの腹部症状、その他めまい、耳鳴り、気分が悪いなどの症状があれば直ぐに病院に連絡して下さい。

以下の場合は服用の可否を医師にご相談下さい
・喘息発作時、気管支喘息の症状が激しいとき
・急性感染症罹患時や体調が悪いとき
・抜歯後等の口の中の処置後、または口の中に傷や炎症がある時

舌下免疫療法についてさらに詳しくお知りになりたいかたは、鳥居薬品の患者さまむけページ(トリーさんのアレルゲン免疫療法ナビ)ならびにシオノギ製薬の患者様向けページ(ダニによるアレルギー性鼻炎に関する情報サイト)をご覧下さい。


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プロフィール

かわかみあきひろ

Author:かわかみあきひろ
川崎市高津区子母口497-2子母口クリニックモール2階
かわかみ小児科クリニック
小児科・アレルギー科
院長  川上 章弘

詳しいプロフィールについては、
かわかみ小児科クリニック公式HPの院長紹介
をご覧ください。

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