3月29日(日)は臨時休診といたします ~サージカルマスク、手指消毒用アルコールの不足に関して~
この度の新型コロナウイルスの騒動で、当院でもご多分にもれず、サージカルマスク、手指消毒用アルコールをはじめとする衛生資材が不足しています。
外出自粛による、一次医療機関の患者数が激減していることにより、現状では何とかやりくりしておりますが、今後このままの診療体制を維持できるか微妙な情勢となっております。
衛生資材の在庫および入荷状況と睨めっこしたうえ、焼け石に水程度ではありますが、3月29日(日)を休診とすることに致しました。
県知事から今週末の外出自粛要請が出ていることも併せましての、総合的な判断になります。
それにしても、今回の騒動での、医療機関における衛生資材の不足は全く理解できません。
まず、この度の新型コロナの騒動に関し、当院ではマスク、手指消毒用アルコールの発注を増やしたりしておりません。
普段とほとんど同じ発注量です。
新型コロナの騒ぎがあろうと無かろうと、普段から行っている感染防止策と、基本的に変わりはありません(※1)。
マスクは汚れた(と思った)ら新しい物と直ぐに交換するもの、手指消毒用アルコールは1つの操作毎の「前後に」しっかり使用する(※2)のが基本です。
普段から感染予防策をしっかり行っている医療機関であれば、来院患者さん用の消毒用アルコールを増やすなどでの多少の消費増はあるかもしれませんが、スタッフの使用量が増えるはずはありません。
ですので、新型コロナの騒ぎで、医療機関からの発注量が急増するはずがないですし、逆に急増するなら「普段ちゃんとやってないんじゃないの?」という疑問が出てきます。
また、マスクもアルコールも、当院で使用しているものは医療機関専用のもの、いわゆるプロユースの製品です。
一般市場での需要が逼迫したとしても、流通経路が全く異なりますので、プロユースの製品に全く影響はないはずです。
製品を作る原料、例えば消毒用アルコールならエタノールそのものが不足してる、とかの理由ならまだ分かりますが、そのような話は全く聞かれません。
医療に関わる仕事をしているという自覚のある、良心的な製造業者であれば、医療機関使用のプロユースの製品を優先して、余裕を持たせるよう製造するはずです。
公衆衛生的・倫理的な面からのみならず、(失礼な言い方をしますが、いわゆるニワカのユーザーではなく、)普段から大量に使用し安定的に購入している「優良顧客」である医療機関へ優先的に供給するのは、経営的な面からも当然かと思います。
なのに、なぜ医療機関むけの、プロユースの製品が不足するのか? 全く理解できません。
今回の騒動が落ちついたら、今後のためにも、「なぜプロユースの製品に不足が生じたのか?」、医療行政や医療経済等に関わる専門の方々に、よく検証して頂きたいと思っております。
当院でも、地域の一次医療の一端を担う医療機関として、できる限りの診療体制の維持に全力で努めて参ります。ただし、スタッフの手などを介して感染を拡大させるようなことがあっては本末転倒ですので、感染予防のために必要な操作はしっかりしないといけませんし、そのために必要な物品はしっかり使用しなければなりません。
そのあたりを見極めつつ、今後もできる限り皆様にご迷惑をおかけしないよう努力して参ります。今回の臨時休診は全くの不本意で苦渋の決断であり、何卒ご理解、ご容赦下さいますと幸いです。
今後もどうかよろしくお願いいたします。
(※1)手指接触表面からの感染予防として「書籍類を撤去」、エアロゾルによる感染予防として院内での吸入治療の中止(吸入器=人工的なエアロゾル発生装置)、といった策を講じておりますが、基本的なところは全くかわりありません。
(※2)かかりつけの患者様方には、院長が普段から頻繁に(慣れない人から見たら病的に思われるかもしれません、というぐらい)シュコシュコと手指アルコール消毒をくり返しているのを良くおわかりだと思います。