視力のスクリーニング検査(シュアサイト・ビジョンスクリーナー)

Welch-Allyn社製シュアサイト・ビジョンスクリーナー
乳幼児期は視力の発達にきわめて重要な時期です。
視力は、出生時から6か月ぐらいまでに急速に、その後は6~7歳ぐらいまでゆるやかに発達します。
その視力が発達する期間(視覚感受性期)に、遠視が強い、左右の差が大きいなどの問題があり、
正常な視覚刺激が入ってこない場合、視力が正常に発達せず、弱視となってしまうことがあります。
問題がある児は、早期に発見し、適切な眼鏡をかけるなどして視力の発達を促す必要があるのですが、
いわゆる「C」の字(「ランドルト環」といいます)を用いて、あっち、こっちとやる「視力検査」は
小さいお子さんの場合、多大な時間と労力を要するうえ、検査の精度もぶれが大きくなります。
小児でも簡単に行え、かつ正確・客観的に視力を評価する方法がないか。
健診のたびに、いつもいつも頭を悩ませてきたのですが、
完璧、ではありませんが、かなり理想に近いのではないか、というのがこれ。
当院でも、昨年10月より導入いたしました、
ウェルチ・アレン社製「シュアサイト・ビジョンスクリーナー」です。
「レフラクトメーター」といわれる器械の、簡易ハンディタイプと思っていただければ結構です。
レフラクトメーターとは何かって? そろそろ小児科医の知識では怪しくなってきますが、
眼球に赤外線を照射することで、近視、遠視、乱視という屈折異常の度合いを、「他覚的に」計測するものです。
眼科や眼鏡屋さんで、顎を置いて中を覗くと気球の絵が見えて・・・みたいのがありますが・・・、
基本的にあれと一緒です、よ?、ね?。
導入以後、川崎市の4歳児・5歳児健診、自費の2歳児(可能なら1歳児も)健診、及び希望者に対して検査を行い、
「基準値」を超えた方を眼科の専門医にご紹介して参りましたが、
実際に、ポツリポツリではありますが、眼科で眼鏡を処方された方も出てきました。
なお、「スクリーナー」の名前の通り、これはあくまで「スクリーニング」検査です。
異常のある方を見逃さない、のが重要な検査ですので、「基準値を超えた」イコール異常、ではありません。
つまり、引っかかった人の大部分は「異常なし」ですので、過剰に心配される必要はありません。
ただし、眼科の先生をご紹介いたしますので、必ず受診されるようお願いいたします。
健診以外でも、ご希望の方は検査を行いますので、お申し付けください。
特に、3歳児健診で視力検査がうまくできなかった、目が悪いのではないかと気になる、等の場合は、
出来るだけ早く検査を受けることをお勧めします(勿論、直接眼科の先生を受診されてもよいと思います)。
どうぞよろしくお願いいたします。