6月9日(日)の臨時休診に関しまして
突然ですが、パックご飯ってご存知ですか?
代表選手は「玄関開けたら」のCMで有名な「サトウのご飯」ですが、最近のは本当に美味しいですね。
でも、一昔前の、私が学生の頃のは、そりゃあんまり美味いものではなかったように記憶しています。
温めて、いざイタダキマスと真空パックから取り出そうとすると、
一枚の板状になった卓球のラケットみたいのが出てくる。
で、それをそのまま、板チョコみたいにかじって食べる。
決して茶碗などによそってはいけない。素人にはお勧めできない。
どんな親不孝ものだよ!と思われるかもしれませんが、
母と最期に会ったときに、私が考えていたのが、このパックご飯のことでした。
先日、6月9日(日)は、急遽休診としてしまい、申し訳ございませんでした。
実は当日、私の母の四十九日法要があったため、休まざるを得ませんでした。
院内の張り紙には、「院長学会出席のため」と書いておりましたが、
あれは、「患者さんとご家族にお気を使わせるといけないから」と、
当院のスタッフが気を利かせてくれたものです。学会って便利だなぁ。嘘ついてスンマセン。
母が亡くなる前日は、ちょうど木曜の休診日で、帰省して母に会うことが出来ました。
会うといっても、もう意識もない状態で、呼吸もちょっと不規則で、という状況でしたけれども。
我侭な母に付きっ切りで看病を続けてきた父と、しばらく病室にいましたが、
帰らねばならぬ時間となり、じゃあ、もう帰るよ、そう母に声を掛けると、
勿論視線も合わない状態ですが、なんだか必死で寝返りをうつような仕草をしていました。
そして、口元は、何か言いたそうな感じにみえました。
その時、親不孝な僕が考えていたのが、パックご飯のことでした。
学生の頃、ろくでもない不摂生な生活をしていてすまぬ、という話を以前の記事でしましたが、
そんなバカ学生を時々救ってくれたのが、母が送ってくれた「色々詰め合わせダンボール」でした。
缶詰とかカロリーメイトとかレトルトカレーとか、上述したパックご飯とかの食べ物から、
はてはトランクスとか靴下とか歯ブラシとかまで、そんなのの詰め合わせが、忘れた頃にやってくる。
サンマの缶詰とか、酒のあてに最高でしたわ。
で、こんな邪魔なもの送ってくるなよ、って親不孝な電話をかけて文句を言ったものですが、
そんなバカ息子の言うことなど意に介さず、決まって言われるセリフが、
「ちゃんと食べてんの?(茨城弁のイントネーション)」 でした。
勝手気ままな、不摂生な一人暮らしをしている息子の体を心配して、送ってくれたパックご飯。
どうせ、ろくに料理もしないだろうし、出来るだけ手間もかからず食べられるものを。
そう考えて、あのラケットみたいなパックご飯を送ってくれたのだと思います。
お袋の味、というのは、味とかメニューとかではなく、こういう気持ちのことを言うのだな、
四十を過ぎて、母の最期を前にして、こんなことがようやく分るようになった。何たる親不孝ものか。
終末期病棟の静かな一室で、鶏がらの様になった母を前にして、そんなことを考えていました。
で、母が最期に何を言いたかったのか、よく分かりませんが、たぶんこれだと思います。
「ちゃんと食べてんの?」
ちゃんと食べてるから、こんな縦/横比になっているんですよ、お母さん。
ここ一ヶ月ほどブログ更新をサボっておりましたが、母の四十九日も過ぎたことですし、
これからガンガン、いやボチボチと更新してまいります。どうかよろしくお願いいたします。
代表選手は「玄関開けたら」のCMで有名な「サトウのご飯」ですが、最近のは本当に美味しいですね。
でも、一昔前の、私が学生の頃のは、そりゃあんまり美味いものではなかったように記憶しています。
温めて、いざイタダキマスと真空パックから取り出そうとすると、
一枚の板状になった卓球のラケットみたいのが出てくる。
で、それをそのまま、板チョコみたいにかじって食べる。
決して茶碗などによそってはいけない。素人にはお勧めできない。
どんな親不孝ものだよ!と思われるかもしれませんが、
母と最期に会ったときに、私が考えていたのが、このパックご飯のことでした。
先日、6月9日(日)は、急遽休診としてしまい、申し訳ございませんでした。
実は当日、私の母の四十九日法要があったため、休まざるを得ませんでした。
院内の張り紙には、「院長学会出席のため」と書いておりましたが、
あれは、「患者さんとご家族にお気を使わせるといけないから」と、
当院のスタッフが気を利かせてくれたものです。学会って便利だなぁ。嘘ついてスンマセン。
母が亡くなる前日は、ちょうど木曜の休診日で、帰省して母に会うことが出来ました。
会うといっても、もう意識もない状態で、呼吸もちょっと不規則で、という状況でしたけれども。
我侭な母に付きっ切りで看病を続けてきた父と、しばらく病室にいましたが、
帰らねばならぬ時間となり、じゃあ、もう帰るよ、そう母に声を掛けると、
勿論視線も合わない状態ですが、なんだか必死で寝返りをうつような仕草をしていました。
そして、口元は、何か言いたそうな感じにみえました。
その時、親不孝な僕が考えていたのが、パックご飯のことでした。
学生の頃、ろくでもない不摂生な生活をしていてすまぬ、という話を以前の記事でしましたが、
そんなバカ学生を時々救ってくれたのが、母が送ってくれた「色々詰め合わせダンボール」でした。
缶詰とかカロリーメイトとかレトルトカレーとか、上述したパックご飯とかの食べ物から、
はてはトランクスとか靴下とか歯ブラシとかまで、そんなのの詰め合わせが、忘れた頃にやってくる。
サンマの缶詰とか、酒のあてに最高でしたわ。
で、こんな邪魔なもの送ってくるなよ、って親不孝な電話をかけて文句を言ったものですが、
そんなバカ息子の言うことなど意に介さず、決まって言われるセリフが、
「ちゃんと食べてんの?(茨城弁のイントネーション)」 でした。
勝手気ままな、不摂生な一人暮らしをしている息子の体を心配して、送ってくれたパックご飯。
どうせ、ろくに料理もしないだろうし、出来るだけ手間もかからず食べられるものを。
そう考えて、あのラケットみたいなパックご飯を送ってくれたのだと思います。
お袋の味、というのは、味とかメニューとかではなく、こういう気持ちのことを言うのだな、
四十を過ぎて、母の最期を前にして、こんなことがようやく分るようになった。何たる親不孝ものか。
終末期病棟の静かな一室で、鶏がらの様になった母を前にして、そんなことを考えていました。
で、母が最期に何を言いたかったのか、よく分かりませんが、たぶんこれだと思います。
「ちゃんと食べてんの?」
ちゃんと食べてるから、こんな縦/横比になっているんですよ、お母さん。
ここ一ヶ月ほどブログ更新をサボっておりましたが、母の四十九日も過ぎたことですし、
これからガンガン、いやボチボチと更新してまいります。どうかよろしくお願いいたします。