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こどもの歯医者さん

「乳歯って、何本あるか知ってますか?」


 勤務医の頃、ローテートしてきた研修医の先生方に、私が必ず聞く質問ってのがあったんですが、そのうちの一つがこれ。

 答えは当然20本(5×4)なわけですが、これ意外と正解は返ってきません。

 ちなみに、ローテートの先生方の出来が悪いとかではなくって、ものすごーーく優秀な先生方ばかりでした。いやほんとまじです。


 我々医者は、歯のことは歯科の先生に、っていう意識があるのと、また、歯のことを気にしてみる機会ってのが意外とないので、歯のこと、特に子どもの歯のことなんて、実はあまり知らなかったりします。

 母子手帳に載っている乳歯列の図と睨めっこしているお母さん方のほうが余程詳しかったり。


 もちろん我々、子どもを専門とする医者は、当然ある程度は勉強していますし、子どもの歯のことを聞かれたら、わかる範囲でのことは勿論お答えします。


 ただ、詳しいことはやはり、歯科の先生方に聞いたほうがいい・・・


 ところで、歯科にも当然、専門というものがあります。

 私が、「小児科専門医」という資格を持っているのと同様、歯科にも「小児歯科専門医」というのがあります。「日本小児歯科学会」という、学会が認定する専門医制度です。


 我々小児科医が偉そうに「子どもは大人のミニチュアではない」というのと同様、歯に関しても勿論そうです。

 歯が一本も生えていない状態で生まれ、乳歯が顔を出し生えそろい、そしてそれが永久歯に入れ替わるという、とってもわかりやすく申し上げますと、サイド7に住む平凡な少年がニュータイプとして覚醒するみたいな劇的な変化をたどります。
 
 分かりにくかったですか?・・・では、もっとわかりやすく言うと、まるで本郷猛が仮面ライダーとして生まれ変わるかのような、劇的な変化です。もっと分かりにくいわ。


 そんな成長発達という、劇的な変化を前提とするわけですから、そりゃその道の専門家ってのがいてしかるべきだろ、ってわけです。


 勿論、専門医でないから子どもは診られない、などと言うつもりはありません。

 専門医資格を持たない先生でも、「名医」はいると思いますし、その逆もまた然り、でしょう。



 でもね。専門医っていうのは、たとえば我々小児科医なら「おいら小児科医でござい」と看板を掲げて仕事をし、その道のトレーニングを積み、そして小児医療に関する一定の知識・力量を持っているということを、第三者が証明するものです。


 すくなくとも、まじめにコツコツと、その道を歩んできたことは間違いないといえます。


 ですので、私のクリニックに来てくださる患者さんたちには、どうせなら歯のことも、小児歯科の専門医に診てもらいたいと思っています。


 「小児歯科」って名乗ってる歯科医院に行けばいいんでしょ? 


 いいえ、奥様。小児歯科専門医でなくとも、「小児歯科」と名乗るのは自由なのでございます・・・


 なら、その小児歯科専門医、ってのは、どこに行けば食えるのか、じゃなくてどこに行けばいるのか。


 小児歯科専門医のいる施設は、日本小児歯科学会のホームページから、簡単に検索できます。



 小児科専門医のはしくれとしてのお願いですが、子どもの歯のについては、ぜひ小児歯科専門医を受診されることをお勧めします。

プロフィール

かわかみあきひろ

Author:かわかみあきひろ
川崎市高津区子母口497-2子母口クリニックモール2階
かわかみ小児科クリニック
小児科・アレルギー科
院長  川上 章弘

詳しいプロフィールについては、
かわかみ小児科クリニック公式HPの院長紹介
をご覧ください。

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